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ワイヤーカット加工での段取りミスを繰り返す部下への再発防止策|製造業の現場改善事例

ワイヤーカット加工での段取りミスを繰り返す部下への再発防止策|製造業の現場改善事例

製造業の現場では、一つの段取りミスが製品の不良やコスト増大につながることが多々あります。
特にワイヤーカット加工のような精密作業では、作業者の意識の持ち方や行動が品質に直結します。
今回は、私が係長として担当している現場で、段取りミスを繰り返す部下に対して実施した再発防止策と、その効果について具体的に紹介します。

段取りミスが繰り返された背景

問題の発端は、段取り時にワークの向きを誤ってセットし、そのまま加工を進めてしまうことでした。
これにより製品が不良品となり、廃材や再加工によるコストが発生。初回のミスでは本人も反省していましたが、同様のミスが2回、3回と続きました

本質的な課題は「意識の甘さ」

現場で確認すると、段取り方法自体は本人も理解しているものの、「面倒」「自分は大丈夫」という慢心が確認作業を省略する原因でした。
また、ミスを指摘されても「次は気をつけよう」で済ませ、本気で反省や意識改革に取り組んでいなかったことが判明しました。
この結果、単なるミスの繰り返しではなく本人の仕事に対する向き合い方そのものが問題であることに気づきました。

係長として実施した再発防止策

1. 本人による内省と言語化

まず本人に、「なぜミスを繰り返したか」「ミスによる影響」「自分が考える再発防止策」を自分の言葉で書き出す課題を与えました。
これにより、ミスの自覚と仕事への責任感が徐々に芽生えていきました。

2. 意識と行動をセットにする

  • 段取りの際、向き・基準面・図面との一致を声に出して指差し確認する
  • 加工前にダブルチェックを自分から依頼し、第三者の目を入れる
  • 1日の終わりに「今日の気づき・注意点」を日報に記入し上司と共有

これらは単なる手順ではなく、本人が主体的に行動することを促す工夫です。

3. 継続的な振り返りの習慣化

指導期間中は月に1回面談を設け、本人に過去1ヶ月の作業を振り返ってもらい、自分の言葉で良かった点や改善点を語ってもらう時間を作りました。
これにより、自己責任の意識が強まり、継続的な行動改善につながっています。

まとめ:変えるべきは「やり方」ではなく「あり方」

段取りミスの防止は技術や手順の見直しも重要ですが、最も大切なのは本人の仕事に対する姿勢や意識の変革です。
本人が自分の仕事を「信用を扱う重要な役割」と捉え、責任を持てるようになることで、はじめて再発防止が実現すると実感しました。

同様に部下の繰り返すミスに悩む製造業のリーダーの方には、技術的対策と並行して本人の考え方や向き合い方を変える支援をおすすめします。