ETCカードは車種をどう判定?料金の決まり方を徹底解説
結論:ETCカードそのものは車種を判定しません。
車載器のセットアップ情報と料金所のセンサー(軸数・高さ)を照合して車種区分を確定し、通行日時とカード条件に応じた割引を適用して料金が算出されます。
1. ETCカードに入っている情報
ETCカード=支払い情報のトークン。利用者契約・課金先・カード識別子などを持ちますが、車種(軽・普・中・大・特大)は保持しません。
※ETCカードの名義・有効期限・ブラックリストなどの決済関連はチェックされますが、車両形状や重量はカード側にありません。
2. 車載器セットアップで登録される内容
車載器を取り付ける際に行うセットアップで、車検証にもとづく以下が登録されます。
- ナンバー(車両番号)
- 車種区分(軽自動車等/普通車/中型/大型/特大)
- 車両の用途・事業区分(必要に応じて)
この情報がゲート通過時に無線で送信され、下記センサーの計測結果と照合されます。
3. 料金所センサーの仕組み(軸数・高さ)
軸数検知
路面に設置されたセンサー(磁気・圧力・ループコイル等)の反応パターンから軸数(何軸か)をカウント。牽引の有無や連結車を検出します。
高さセンサー
上部・側方の測距センサーで車高を測定し、普通車と大型車のしきい値を判定。キャリア・積載物の影響は係員確認対象になることがあります。
4. 照合と料金決定のプロセス
- 車載器→料金所:セットアップ情報を送信(車両識別・区分)
- センサー計測:軸数・車高などで「実車の形」を捉える
- 照合:登録区分と計測値が一致すれば次段へ、不一致はエラー
- 料金演算:車種区分×距離(ルート)×時間帯で算出、該当割引を適用
入口・出口の通過ログと通信ログは後日精算や調査に使われます。
5. 車種区分と割引の適用
区分 | 主な対象 | 備考 |
---|---|---|
軽自動車等 | 軽・二輪 | 二輪は別係数 |
普通車 | 一般乗用車・小型貨物 | 最も件数が多い |
中型車 | 2軸大型バスなど | 軸数・車高で判定 |
大型車 | 大型トラック・バス | 3軸以上が目安 |
特大車 | 連結車・トレーラ | 軸数多・全長長 |
割引(例:深夜・休日・ETC2.0施策など)は、車種区分の確定後に通行日時・条件に基づき自動適用されます。
6. 不一致エラーの典型例と対策
- 車両の買い替え:軽→普通など区分が変わったのに再セットアップ未実施対策:車載器の再セットアップを必ず実施。
- 牽引・キャリア装着:軸数・高さが一時的に変化対策:ETCレーンでのエラー時は一般レーン・係員指示に従う。
- ナンバー変更:登録番号と実車が不整合対策:変更後は速やかに再セットアップ。
エラー時は開閉バーが上がらない・通行可否の警告が出ることがあります。無理通過は危険・違反の可能性があるため厳禁です。
7. よくある質問(FAQ)
ETCカードだけで車種を判定していますか?
いいえ。カードは決済用。車載器セットアップ情報×センサー計測で車種区分が確定します。
家族の別の車で同じカードを使っても大丈夫?
カード自体は使えますが、各車のセットアップ情報と実車が一致していることが前提です。
二輪のETCはどう判定される?
二輪は専用車載器のセットアップ情報+センサーの計測パターンで区分されます。積載や車高の影響は四輪より小さい一方、誤検出時は係員判断になります。
誤課金が疑われるときの対処は?
通行日時・IC・車線番号などを控え、道路会社のサポート窓口へ連絡。入口・出口ログで調査・更正されることがあります。