仕事

相手を責めずに“具体的な改善点”を導き出す伝え方(職場で使える実践術)

相手を責めずに“具体的な改善点”を導き出す伝え方(職場で使える実践術)

「相手を否定せずに伝えたい」「部下の反発を避けつつ行動を変えたい」──そんなときに効果的な、現代の職場に合ったフィードバック方法を分かりやすく解説します。

なぜ「You are(あなたは〜だ)」が反発を招くのか

「あなたはいつも遅い」「あなたの報告は分かりにくい」といった表現は、相手の人格や存在自体を批判する印象を与えます。人は自尊心が傷つくと防衛的になり、結果として改善に結びつきにくくなります。

要点:相手の行動ではなく、自分の「感じ方(I feel)」にフォーカスして伝えることで、防御反応が下がり、改善につながりやすくなります。

「You are」から「I feel」へ――伝え方の具体ステップ

  1. 事実を短く伝える:「資料の順番が前後していた(事実)」
  2. 自分の感じたことを述べる:「私は少し理解しにくかった(I feel)」
  3. 具体的な改善アクションを提案する:「次回は事前共有をお願いします(具体行動)」

例:
「資料の順番が前後していて、私は内容の把握に時間がかかりました。次回は会議の2日前にドラフトを共有してもらえると助かります。」

避けるべき言い方:抽象論/精神論はNG

「気をつけて」「しっかりやって」など抽象的な指摘は、相手にとって何を変えれば良いか分かりません。改善につながるのは必ず「具体的に何をどうするか」を提示した指示です。

  • NG:「もっと頑張って」「やる気を出して」
  • OK:「毎朝9時までに前日の進捗を簡単に共有してください」

すぐ使えるフレーズ集(場面別)

報告が分かりにくいとき

  • 「この順で説明されると私は理解しやすいです。まず結論→理由→次のアクションでお願いします」
  • 「資料の冒頭に結論を一行入れてもらえると助かります」

納期や進捗が遅れがちなとき

  • 「午前中に簡単な進捗を共有してもらえると、全体の調整がしやすくなります」
  • 「次回から中間の確認を設けてもらえますか?」

行動の改善を促したいとき

  • 「私はこういう状況だと困ります。〇〇をしてくれると助かります」
  • 「一緒に改善案を出してみませんか?まずは小さな一歩として××を試しましょう」

まとめ:今日からできる3つの実践ポイント

  1. YOU→I(私は〜)に言い換える:人格攻撃を避け、感情・事実にフォーカス。
  2. 抽象論はNG、行動で示す:具体的な次の行動(何を・いつ)を提示。
  3. 改善を一緒に考える姿勢を示す:責めずに協働的に解決する提案をする。

これらは小さな工夫ですが、職場の信頼関係を崩さずに成果を引き出すために非常に有効です。今日の会話からぜひ取り入れてみてください。