新しい習慣は本当に66日で身につく?科学的根拠と続けるための実践テクニック
「新しい習慣が身につくまで66日」という数字はよく目にします。出典・誤解しやすい点・実践で使えるテクニックを整理して、あなたの習慣化を成功に導きます。
66日説の出典(どんな研究?)
この数字の元になっているのは、ロンドンの大学(UCL)のフィリッパ・ラリー博士らによる2009年の研究です。96名の参加者に日常の簡単な行動を毎日続けてもらい、「ほぼ自動的に行動できる」と感じるまでの日数を自己報告してもらったところ、平均で約66日だった、という結果です。
重要なのは、66日は平均(mean)であり、必ず66日で習慣化するという保証ではない点です。
「人によって違う」— 期間に幅がある
同研究では、最短で18日、最長で254日という幅が報告されています。つまり習慣化にかかる時間は、
- 行動の難易度(単純な行動か複雑な行動か)
- 個人の性格や意志力
- 環境(支援や邪魔があるか)
などによって大きく変わります。結論としては、「2〜3か月を目安に続けると良い」という実務的な目安が得られる、ということです。
習慣化を成功させる3つのコツ(実践向け)
1. 小さく始める(ミニマムバイアブルハビット)
大きな目標は挫折の元。まずは最小単位から始めましょう。
- 読書 → 「1日1ページ」
- 運動 → 「1分のストレッチ」
- 勉強 → 「1問だけ問題を解く」
2. トリガー(きっかけ)を決める
習慣は「既存の行動」に結びつけると定着しやすいです。
例:「朝のコーヒーを入れたら日記を1行書く」「歯磨きの後に腕立てを2回」など。
3. 完璧を求めない(やめないことが最優先)
研究でも示されている通り、数回抜けても完全に習慣化が崩れるわけではありません。重要なのは再開のしやすさです。失敗を責めず、すぐに再開するための仕組みを作りましょう。
実践例:1つの習慣を66日で根付かせるスケジュール
- Day 1–7: 超小さく始める(例:1日1ページ読む)
- Day 8–21: 行動を固定する(トリガーを明確にし、毎日同じ時間帯に実施)
- Day 22–45: 量を少しだけ増やすか、難易度を少し上げる(余裕があれば)
- Day 46–66: 自動化を意識する。できれば行為にかかる心理的抵抗が減っているか観察
このスケジュールはガイドラインです。自分のペースに合わせて調整してください。
よくある質問(FAQ)
Q:66日で必ず習慣になりますか?
A:いいえ。66日はあくまで平均です。習慣の種類や生活環境で変わります。2〜3か月は継続の目安にしましょう。
Q:途中で1日休むとリセットされますか?
A:されません。重要なのは「継続する意思」。1日休んでも、次の日に再開すれば大きな問題にはなりません。
Q:どんな習慣が習得しやすいですか?
A:既存の行動に結びつく簡単な行動(飲水、ストレッチ、1ページ読書など)は習得しやすいです。
まとめ:2〜3か月を目安に、仕組みで続ける
「66日」という数字は便利な目安ですが、大切なのは自分に合った小さなルールを作り、環境を整え、完璧主義を捨てて続けることです。今日の小さな一歩が将来の習慣になります。まずは今週から「小さく始める」を試してみましょう。
次に使えるテンプレ: 「○○したら△△する」
というトリガーを書き出して、今週の行動を3つ決めてみてください。