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工作機械の数値入力ミスを防ぐ方法|新人もベテランも同じやり方に統一すべき理由
工具破損・不良発生・設備停止といったトラブルが起こります。特にNC旋盤やマシニングセンタでは、わずかな入力ミスが大きな損失につながります。
では、こうしたミスをどうすれば減らせるのでしょうか。結論から言うと、新人もベテランも同じワンパターンのやり方に統一する、
つまり作業の標準化が最も効果的です。—
若い頃はやっていた確認作業を、なぜベテランは省略するのか
多くの作業者は新人時代、次のように教えられます。
- 数値は必ず紙に書いてから入力する
- 画面と紙を照らし合わせて確認する
しかし、経験を積んで中堅・ベテランになるにつれて、
この確認作業をやめてしまう人は少なくありません。
理由は主に以下の通りです。
- 頭の中で数値処理ができるようになった
- 作業スピードを求められる立場になった
- 「今まで大丈夫だった」という慣れや自信
これはサボりではなく、熟練による省略行動です。
しかし、この省略こそが大きなミスを生む原因になります。
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ベテランの自己流は若手に必ず影響する
現場でよくあるのが、次の流れです。
- ベテランが紙に書かずに数値入力する
- 若手がそれを見て真似をする
- 「あの人もやっていません」と言い出す
- 作業標準が形骸化する
この状態になると、作業品質は人依存になり、
安定したものづくりができなくなります。
だからこそ重要なのが、ベテランほど標準を守るという考え方です。
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なぜ作業をワンパターン化するとミスが減るのか
人は疲れているとき、忙しいとき、イレギュラーが重なったときにミスをします。
そして最も危険なのは、
「今回は紙に書くか、書かないか」を判断すること
判断が入る時点で、ミスの余地が生まれます。
そこで有効なのが、次のようなワンパターンの流れです。
- 数値入力前に必ず紙に書く
- 追い込み量と入力値を分けて記入する
- 紙と画面を照らし合わせて確認する
この流れを毎回同じにすることで、
考えなくても体が動く状態になります。
これが本当の意味での作業標準化です。
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作業標準は能力を否定するものではない
標準化を進めると、ベテランからこんな声が上がることがあります。
- 新人扱いされている気がする
- 作業スピードが落ちる
- 信用されていないのではないか
しかし、作業標準は能力の問題ではありません。
人間は必ずミスをするという前提に立ち、
ミスが起きにくい仕組みを作ることが目的です。
標準通りに作業していれば、
個人が責められることもなくなります。
作業者を守るための標準でもあるのです。
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現場で実践しやすい作業標準の作り方
すべてを厳しく縛る必要はありません。
現実的には次のような運用がおすすめです。
全員共通の基本ルール
- 数値入力前は必ず紙に書く
- 符号(+/−)を明確にする
- 入力後に照合確認を行う
省略を認める場合(条件付き)
- 同一品の連続加工
- 補正量がごく小さい場合
- リーダーや上長が状況を把握している
これにより、品質・安全・スピードのバランスが取れます。
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まとめ|数値入力ミスは仕組みで防ぐ
- 数値入力ミスは経験だけでは防げない
- ベテランの省略行動は現場全体に影響する
- 新人もベテランも同じやり方に統一する
- 作業標準は人を縛るためではなく守るためのもの
ミスを個人の注意力に頼るのではなく、
仕組みで防ぐ現場づくりが重要です。
作業のワンパターン化は、
安定した品質と安全な現場を支える強力な武器になります。