「〇〇さんが言ったから」は危険信号|管理職・班長に求められる主体的な判断力とは
製造現場や工場だけでなく、あらゆる組織で管理職や班長には「判断する役割」が求められます。
しかし現場では、
「〇〇さんがそう言ったからです」
「自分はそう教わってきたので」
という説明を耳にすることがあります。
一見すると問題ない回答に聞こえますが、管理者として見ると重要な課題が隠れています。
この記事では、管理職や班長に必要な「主体的な判断力」と「責任感」について解説します。
なぜ「〇〇さんが言ったから」が問題なのか
例えば、職場で何らかの改善提案があったとします。
その際に、
「〇〇さんが外すなと言ったから、そのままにしました」
という説明が返ってきた場合、多くの管理者は違和感を覚えるでしょう。
なぜなら、この発言には最終判断者が存在しないからです。
- 意見を出した人
- 実際に行動した人
- 責任を負う人
これらが曖昧になってしまいます。
管理者に求められるのは、
「〇〇さんの意見を参考にし、自分はこう判断しました」
という説明です。
他人の意見を聞くことと、判断を他人任せにすることは全く違います。
作業者と管理者の違い
作業者と管理者の違いはどこにあるのでしょうか。
作業者の役割
- 決められたルールを守る
- 指示を正確に実行する
- 品質や納期を守る
管理者の役割
- 情報を収集する
- 意見を整理する
- 最適な方法を考える
- 判断を下す
- 結果に責任を持つ
つまり管理者の価値は「作業」ではなく「判断」にあります。
そのため、
「誰かが言ったから」
という説明は、管理者としての役割放棄と受け取られることがあります。
「そう教わったから」が思考停止を生む
現場ではよく、
「昔からやっている」
「先輩にそう教わった」
「会社の伝統だから」
という理由で活動が続いています。
もちろん、過去の経験や成功事例は大切です。
しかし管理者が持つべき視点は、
- なぜそれを行うのか
- 今でも効果があるのか
- 別の方法はないのか
- 副作用は発生していないか
です。
教わったことをそのまま実行するだけなら、管理者ではなく実行者です。
管理者は常に現場に合わせて最適化を考えなければなりません。
手段が目的化すると組織は衰退する
安全活動を例に考えてみます。
本来、指差呼称や安全唱和は、
- ヒューマンエラー防止
- 安全意識向上
- 事故防止
という目的のために存在しています。
しかし時間が経つと、
「やること」が目的になってしまう
ケースがあります。
例えば、
- 新人が萎縮している
- 職場の雰囲気が悪化している
- 形式だけになっている
- 安全意識向上につながっていない
にもかかわらず、
「昔からやっているから続ける」
となれば、本来の目的を見失っている可能性があります。
優れた管理者は「目的」で考える
優れた管理者は、手段ではなく目的に注目します。
例えば指差呼称についても、
「安全確保のために必要だと思う。ただし、伝え方ややり方は改善できるかもしれない」
という考え方ができます。
これは、
- 安全を重視する姿勢
- 現場への理解
- 若手への配慮
- 改善意識
を両立した考え方です。
管理者とは、伝統を守る人ではなく、目的を達成するために方法を進化させる人なのです。
責任感は言葉に現れる
人の責任感は、日常の言葉遣いに表れます。
| 責任を避ける表現 | 主体的な表現 |
|---|---|
| 〇〇さんが言ったから | 〇〇さんの意見を参考に判断しました |
| そう教わったから | 現状を考慮して継続すると判断しました |
| 上司の指示なので | 指示内容を理解し実行しました |
わずかな言葉の違いですが、主体性や責任感の伝わり方は大きく変わります。
まとめ|管理者は「自分の判断」で語るべき
管理職や班長に求められるのは、
単なる伝達や前例踏襲ではありません。
重要なのは、
- 意見を聞く
- 自分で考える
- 判断する
- 責任を持つ
ことです。
「〇〇さんが言ったから」
「そう教わったから」
という言葉が増えたとき、組織は思考停止に陥る危険があります。
一方で、
「私はこう考え、こう判断しました」
と言える管理者が増えれば、組織は自ら成長し続けます。
管理者として本当に問われるのは、知識の量ではありません。
自分の頭で考え、自分の名前で判断し、その結果に責任を持てるか。
そこに管理者としての本質があるのだと思います。