「問題がない」ことが最大の問題
トヨタ生産方式を支えているのが
「改善」であり「問題解決」です。
トヨタでは、創業間もない頃から改善や問題解決が行われ、
いまや海外の企業にマネされるほどです。
トヨタでは問題に気が付くこと
そして
その問題を改善していく事が従業員に求められます。
『困らんやつほど、困った奴はいない』
トヨタの元副社長であり
改善の鬼でもあった大野耐一氏はこんな言葉を残しています。
言い方を変えれば
『問題がないということが最大の問題』という意味です。
問題を発見して改善を繰り返していくことが、
人を育て、会社を強くしていくことである
というメッセージが込められているといってもいいでしょう。
しかし、多くの会社では、
『問題があるのに問題視していない』という状態が
放置されています。
この状態が続いてしまうと
気が付いていない問題が絡み合って
会社の目標未達につながってしまいます。
【もっと・・・できないか】を口癖にする
製造現場の場合、不具合やミスがあれば
それが現物(不良品)となって目の前に現れます。
だから問題を発見しやすいといえるでしょう。
しかし
オフィスワークや営業の場合は
問題が明確になって目の前に現れにくいといえます。
例えば、営業・サービスなどの現場でも
クレームや売上げ減などの明確な現象がなければ
問題としてとらえにくい。
お客様の多くは不満を明確に伝えることなく
離れていくものだからです。
また、事務仕事の生産性や効率を数字に表すのは
難しいでしょう。
そういう職場で働く人ほど
『問題をきちんと問題としてとらえる』スキルが必要になります。
長い間、同じ仕事を同じようなやり方でやっていると
問題があっても、それが当たり前になってしまいます。
だからこそトヨタでは、
『問題のない仕事はない』
という意識をもって仕事に取り組んでいるのです。
どんな仕事にも、大なり小なり必ず問題が潜んでいます。
『今の仕事のやり方がベストではない』
と常に疑問をもつことが問題を認識する為の第一歩です。
『もっと楽できないか』
『もっと物を減らせないか』
『もっとお金をかけずに済まないか』
『もっとムダを減らせないか』
このように
『もっと・・・できないか』
という言葉を口癖にして仕事をとらえると
問題が見つかりやすくなります。